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高齢者のトレーニングはウォーキング程度の運動で十分か?いえ不十分です!

ご高齢の方で「私は毎朝足腰を鍛えるために30分程度散歩をしています」というお声をけっこう多くお聞きしますが、それだけで本当に健康な日常生活を維持することができるのでしょうか。
最新の研究ではウォーキングなどの軽い運動だけでは、高齢期の筋肉量・筋力維持には十分な効果がみられないことが分かってきています。つまり、高齢者は日常生活の活動量以上の負荷での定期的かつ持続的な筋力トレーニングが必要です!

高齢者におけるトレーニングの効果

1. 筋力の向上

  • 年齢とともに筋力は自然に低下します(サルコペニア)。しかし、筋力トレーニングは筋量を維持・増加させる効果があります。
  • 筋力の向上により、日常生活動作(例:立ち上がり、歩行、持ち運び)が楽になり、自立した生活が続けやすくなります。

2. 骨密度の改善

  • トレーニング、とくに耐重運動や筋力トレーニングは骨に適度な負荷を与え、骨密度の低下を予防または改善する効果があります。
  • 骨粗鬆症や骨折のリスクを低減します。

3. 心肺機能の向上

  • 有酸素運動(ウォーキングや軽いジョギング、サイクリングなど)は心肺機能を改善し、心血管疾患のリスクを軽減します。
  • 持久力が向上することで疲労しにくくなり、日常生活の活動範囲が広がります。

4. 柔軟性とバランスの改善

  • ストレッチやバランストレーニング(例:ヨガ、太極拳)は関節の柔軟性を高め、転倒リスクを減らします。
  • バランス感覚が向上することで、自信を持って歩行できるようになります。

5. 精神的な健康の向上

  • 運動は脳内の神経伝達物質(エンドルフィンやセロトニンなど)を活性化し、気分を向上させます。
  • 認知機能が向上し、認知症のリスクを低減する可能性があります。
  • 社会的なつながり(運動グループなど)が増え、孤立感が軽減されます。

6. 生活習慣病の予防・改善

  • 運動は血糖値のコントロールを助け、2型糖尿病の予防や管理に役立ちます。
  • 血圧の低下や脂質プロファイルの改善が期待でき、メタボリックシンドロームの予防にも寄与します。

高齢者が安全にできるトレーニング

1. 筋力トレーニング

筋力を向上させ、日常生活動作を支える力を維持します。特に脚の筋力強化は転倒防止に重要です。

スクワット(椅子を使ったバリエーション)

  • 方法
    1. 椅子を背にして立ちます。
    2. 腕を前に伸ばし、ゆっくり椅子に腰を下ろすようにしゃがみます。
    3. 椅子に完全に座る前に止まり、ゆっくり立ち上がります。
  • 回数:10~15回を1セット、2~3セット。
  • ポイント:膝がつま先より前に出ないように注意し、姿勢を保つ。

軽いダンベルやペットボトルを使った運動

  • 方法:500mlのペットボトルを持ち、腕の曲げ伸ばし(アームカール)や肩の上げ下げ(ショルダープレス)を行います。
  • 回数:10回を1セット、2~3セット。
  • ポイント:無理に重いものを使わず、フォームを意識。

2. 有酸素運動

心肺機能を向上させ、持久力を高めます。

ウォーキング

  • 方法:公園や近所で10~30分程度の散歩をします。
  • 頻度:週3~5回。
  • ポイント:無理に速く歩く必要はなく、自分のペースで続けます。

水中ウォーキング

  • 方法:プールで腰くらいまでの水位の中を歩きます。
  • 頻度:週2~3回。
  • ポイント:水の浮力で関節への負担が少なく、膝や腰に優しい運動です。

3. 柔軟性運動

関節の可動域を広げ、動きをスムーズにします。

ストレッチ(椅子を使ったもの)

  • 方法
    1. 椅子に座り、片方の足を前に伸ばします。
    2. 背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと上半身を前に倒します。
    3. 太ももの裏が伸びるのを感じたら20秒キープ。
    4. 足を変えて繰り返します。
  • 頻度:毎日行うのが理想。

4. バランス運動

転倒リスクを減らし、体幹を鍛えます。

片足立ち

  • 方法
    1. 壁や椅子の背を軽く支えながら片足を浮かせます。
    2. 10~20秒キープ。
    3. 足を変えて繰り返します。
  • 回数:左右2~3セット。
  • ポイント:バランスが不安定な場合は、必ず支えを使います。

5. 体幹トレーニング

体の軸を強化し、安定感を向上させます。

椅子での背もたれプッシュエクササイズ(猫背矯正)

  • 方法
    1. 椅子に座り、背筋を伸ばします。
    2. 背もたれに軽く手を当て、肩甲骨を寄せるように押します。
    3. 数秒キープして戻します。
  • 回数:10回を1セット、2セット。
  • ポイント:肩に過剰な力が入らないよう注意。

注意点

  1. 医師や専門家の確認
    運動を始める前に、健康状態に応じた運動の適切さを確認しましょう。
  2. 無理をしない
    疲労感や痛みを感じた場合は、運動を中止し休憩を取ります。
  3. 正しいフォームを意識
    不適切なフォームは怪我のリスクを高めます。可能なら専門家の指導を受けてください。
  4. 運動後のケア
    運動後にストレッチを行い、筋肉の緊張を和らげます。
  5. 水分補給
    運動中や後には水分をこまめに補給し、脱水を防ぎます。

高齢者のトレーニングは、安全性を最優先にしながら、少しずつ継続することが大切です。日常生活に取り入れやすい運動から始めて、楽しみながら健康を維持していきましょう!

きづき接骨院では運動の指導やメニューの作成も行っております。
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追伸
2024年も今日で終わりですね。みなさん、掃除やお正月の準備でお忙しいくされていることと思います。

今年一年を振り返りますと、多くの方のとても暖かいお気持ちとご協力をいただいた一年でした。おかげさまで、きづき接骨院を開院することができ、本当に感謝してもしきれない一年となりました。
2025年も皆様の健康な日常を強力にサポートしていくため頑張りますのでよろしくお願いいたします。

それでは皆様、良いお年お迎えください!