肘の内側上顆炎とは
肘の内側上顆炎(medial epicondylitis)は、肘の内側にある内側上顆という骨の出っ張り部分に付着する前腕屈筋群(手首を曲げたり、前腕を内側にひねる筋肉)が炎症を起こすことで発生します。
一般的には「ゴルフ肘」と呼ばれますが、ゴルファーだけでなく多くのスポーツ選手やデスクワーカーにも起こりうる障害です。
肘の内側上顆炎の好発年齢
- 発症ピークは 30〜50代
- 厚生労働省の統計によると、肘痛を訴える患者のうち 約35%が内側上顆炎に分類され、40代が最も多いという報告があります。
- 若年層では野球やテニスの競技者に多く、**成長期(10〜15歳)の野球少年では発生率が10〜20%**と報告されています。
好発競技・職業
好発スポーツ
- ゴルフ(スイングでの手首の屈曲動作)
- 野球(特にピッチャーの投球動作)
- テニス(フォアハンドストローク)
- 柔道・剣道(強い握力と反復動作が必要)
特に野球では、ピッチャーの肘障害のうち約15〜20%が内側上顆炎に関係しているとされています。
好発職業
- タイピングやマウス操作の多い デスクワーカー
- ハサミを使う 美容師
- 重い工具を使う 大工や建設作業員
発生メカニズム
- 反復動作による負担
手首を曲げる(屈曲)・前腕を内側にひねる(回内)動作が繰り返されることで、腱と骨の付着部に微小な損傷が生じます。 - 腱の変性
炎症というよりも、近年では「腱の変性(腱症)」と捉えられ、組織の劣化が原因とされます。 - 血流不足
内側上顆付着部は血流が乏しく、一度損傷すると治癒しにくい部位です。
👉 特に「長橈側手根屈筋」や「円回内筋」に負担が集中しやすいのが特徴です。
肘の内側上顆炎の症状チェック
- 握力を入れると肘の内側が痛む
- ドアノブを回す動作で痛む
- 手首を内側に曲げると痛みが増す
- 物を持ち上げる時にズキッとする
セルフケア方法(自宅でできる対策)
1. アイシング
- 急性期(痛みが強い時)は 1回15分を1日2〜3回
- スポーツ直後に行うと炎症を抑えられる
2. ストレッチ
前腕屈筋群ストレッチ
- 手のひらを上にして腕を伸ばす
- 反対の手で指先を軽く後ろに引き、手首を反らす
- 20〜30秒キープ × 3回
3. 筋トレ(エキセントリックトレーニング)
- ダンベルやペットボトル(500ml〜1kg程度)を持つ
- 手首を反らせた状態からゆっくり曲げる動作を繰り返す
- 10回×2〜3セット
👉 腱の強度アップにつながる
4. サポーターの活用
- 内側上顆炎専用のエルボーバンドを使用すると、前腕屈筋の付着部へのストレスを軽減可能。
5. 日常生活の工夫
- 重い物を持つ時は両手で支える
- パソコン作業では手首を浮かせずリストレストを使用
- 長時間同じ作業は1時間に1回休憩を取る
まとめ
肘の内側上顆炎(ゴルフ肘)は、30〜50代のスポーツ愛好家やデスクワーカーに多い肘の障害です。
原因は「繰り返される手首の屈曲・前腕の回内動作」による腱の損傷であり、**セルフケア(ストレッチ・筋トレ・サポーター)**が改善のカギとなります。
日常生活での工夫とセルフケアを組み合わせることで、再発予防にもつながります。
👉 「肘の痛みが長引いている…」という方は、早めにセルフケアを取り入れてみてください。
それでも肘が痛いときは「きづき接骨院」におまかせ!
アイシングも続けて、ストレッチやってみても痛みが残る場合は、骨のアライメントがズレている場合もありますし、セルフケアでは解消しない筋肉や靭帯の硬さが潜んでいるかも知れません。
きづき接骨院では痛みをコントロールしながら、関節の矯正で骨を正しい位置へと導き、吸い玉カッピング療法により血流の促進させ組織の修復を促します。
肘のトラブルでお悩みの方は一度当院までお越しください。